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大森 憲一郎
電子情報通信学会論文誌,D, 109(10), p.709 - 711, 1989/10
JT-60トロイダル磁場コイル電源は、JT-60本体のトロイダル磁場コイルに8GJものエネルギーをパルス的に供給するため、系統電力系と電動発電機電力系とで構成されている。このシステムの中でも発電機は、所要のエネルギーを回転エネルギーとして蓄え、コイル通電時に電気エネルギーとして放出する、すなわち、エネルギー蓄積装置としての役目を果たしてるが、4GJの放出エネルギーを確保するために、直径6,600mm、厚さ2,400mm、総重量約650tonの巨大なフライホールによってはずみ車効果(GD)を大きくしている。運転開始以来、その積算運転時間は5,000時間にも及ぶが良好に運転されており、また入力エネルギーに帯する出力エネルギーの比、すなわち、運転効率は約60%である。JT-60電源には、この発電機を含めて合計3基の発電機が設置されているが、今年11月以降約1年間かけて順次分解点検を実施する予定である。
松川 達哉; 高橋 春次; 宮地 謙吾; 嶋田 隆一
PE-86-59, p.73 - 81, 1986/00
日本原子力研究所では、昨年4月那珂研究所に臨界プラズマ試験装置JT-60を完成し、プラズマ実験を開始した。トカマク型装置では、トロイダルコイルを励磁して得られるトロイダル磁場中に、ポロイダルコイルを励磁することにより、プラズマを生成・維持するが、このとき各コイルに所定の電流を通電するための電源がトロイダルおよびポロイダル磁場コイル電源である。JT-60クラスのプラズマになると、その制御のために各コイルに通電すべき電流として数kA~百kA程度の直流大電流が必要となり、またそのコイル電流を高速・高精度に制御することが要求されるため、両電源とも大容量のダイオードあるいはサイリスタ変換装置を備えている。ここでは、主にプラズマ実験開始以後の両電源の運転を中心に、プラズマ制御を目的とする電力変換装置としての特徴について述べる。
大森 憲一郎; 恒岡 まさき; 松川 達哉; 嶋田 隆一
PE-86-60, p.83 - 92, 1986/00
JT-60トロイダル磁場コイル電源は10分間隔で繰り返し運転され、1パルスあたり約8GJのエネルギーを供給する。その約半分は商用電力系統より直接受電するが、残りのエネルギー4GJはフライホイール付電動発電機によりまかなわれる。本発表は、このフライホイール付電導発電機の設計、試験及び運転に関して報告するものである。すなわち、本発電機は軸下部に約650トンのフライホイールをもち、発電機出力は21万kwである。また、起動あるいは10分毎の再加速にはサイリスタ駆動装置を用い、最大定格回転数は600rpmである。さらに、実験装置用の電源として繰り返し頻度が従来と桁違いに多いのが特長である。総重量1,000トンの回転子が高速で回転するが、綿密なバランス調整等を繰り返した結果、軸振動については全く問題がなく、非常に良好に運転されている。